ミスを仕組みで防ぐ!経営自走化を実現する3つの具体策

組織では日々、大小さまざまなミスが起こります。ミスを起こした社員は上司に怒られ、その結果、萎縮してケアレスミスを繰り返し、また怒られる。そして最終的にはメンタルをやられて退職し、場合によっては労働紛争に発展することもあります。
ここまでネガティブなシナリオがそうそう起こるわけではありませんが、一度起きると厄介な問題になります。

さて、ここで一つ質問です。
ミスが発生するのは、社員のせいでしょうか?それとも、ミスを発生させる仕組みが整っていない会社のせいでしょうか?

これを読んでいる多くの経営者は、「彼だったら彼自身のせい、彼女だったら会社のせい、だからケースバイケースだよね…」と考えるのではないでしょうか?

とはいえ会社としては、本来であればミスをしない方が、ミスをすることを防ぐ対策は行いたいものです。そこでこの記事では、そのための方法を3つご紹介します。

業務マニュアルを整備する

ある業務を完遂するためのベストなプロセスを明確にしたものが業務マニュアルです。

経営者であるあなたが、仕事を社員に委任する際にも、業務マニュアルの作成は不可欠です。これがあることで、会社として「正しい仕事の進め方」が誰にでも分かるようになります。

実際に、当社のクライアントで、それまで経営者が行っていた調達業務をマニュアル化し、部下に委任したところ、利益率が向上した事例があります。経営者が頭の中で行っていたことを文章化し、それに基づいて仕事を進めることで、誰でも「ベストなやり方」を実行できるようになったのです。

またマニュアルを作る際の重要なポイントは、あなたは部下に口頭で伝え、その内容を部下に文章化してもらうことです。そしてその叩き台をあなたが確認し、最終化しましょう。

このやり方は、あなたの手間を減らせるだけでなく、文章化するプロセスを通じて部下の理解度も上がるという一石二鳥の効果が得られます。

ワークフローの見直しで全体最適を図る

ワークフローとは、調達から製造、納品、請求、入金に至るまでの一連のプロセスを指します。

多くの業務には次の業務があるため、個々の業務がどれだけ効率化されても、連携が上手くいかないとミスが発生することがあります。

たとえば、1つ1つの業務を最適化している際に「こうした方が効率が良いのでは?」というアイデアが出てくることがあります。それ自体は良いことですが、ある業務の最適化が他の業務の生産性や効率性を下げ、会社全体としてのミスを増やす場合もあります。

このような事態を防ぐには、

  • 業務と業務の連携時に発生するミスを洗い出す。
  • 1つ1つの業務の改善が、他の業務のマイナスにならないかを考慮する。

の2点がポイントになります。

役割の見直しでミスを減らす

ここでいう「役割」とは、各部署の役割と、部署内での個々の役割を指します。

会社の規模が小さいと、人に仕事を割り当てる形が一般的ですが、それを続けると特定の部署に過剰な負荷がかかることがあります。その結果、その部署でのミスが増えることになります。

もし特定の部署でミスが多発している場合は、部署間の役割分担や人員配置の見直しを検討することをおすすめします。

また、部署内でも業務バランスの不均衡が起こることがあります。これを防ぐためには、スキルや役割を明確化し、適切に割り当てることが必要です。これにより、スキルが不足している社員に業務を任せることで発生するミスを減らすことができます。

ミスの発生をゼロにすることは難しいですが、仕組みを整えることで大幅に減らすことができます。

業務マニュアルの整備、ワークフローの見直し、役割分担の再考といった取り組みは、社員の負担を軽減し、効率的で生産性の高い組織運営に繋がります。

会社の仕組みが整えば、社員も安心して仕事に取り組めるようになり、結果的にミスが減り、組織全体のパフォーマンスが向上します。

経営自走化を目指すなら、まずは小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。