経営企画がいらないと言われる理由|なぜ従業員は反対するのか?

経営者が経営企画部(もしくは経営戦略室や社長室)を作ろうとしたり、該当する機能を外部に業務委託しようとしたときに、従業員から「経営企画はいらない」と言われるケースがあります。

しかし、経営者は経営企画の必要性を感じているはずですから、どうにか従業員に納得してもらいたいですよね?

そのためには、従業員がなぜ反対するのか、その理由を知らなければいけません。

本記事では、「いらないと言われる理由」「対策」について解説しますので、参考にしてください。

従業員から「経営企画はいらない」と言われる2つの理由

経営企画がいらないと思われる理由には、主に2つがあります。

  • 社内に経営企画部をつくる場合:よくわからないけど、面倒なことが起こりそう
  • 業務委託する場合:仕事をとられたくない

なぜ上記のように思われてしまうのか、以下で解説します。

-社内に経営企画部をつくる場合:よくわからないけど、面倒なことが起こりそう

経営企画部を設立した後に、従業員から出てくる不満は「色々面倒なことを言われるようになった」です。

これは経営計画づくりや予実管理、決裁権限の明確化など「面倒なことをしないと更なる成長ができないレベルになった」だから、会社としては良い方向に進んでいる証です。

でも人間は変化を嫌う生き物で、その傾向は経営者よりも、従業員の方がはるかに強いです。

「ネットで経営企画について調べたらこんなことが書いてあった」「私が以前いた会社の経営企画はこんな面倒なことを言ってきた」といった理由で反発する人もいるのが現状です。

-業務委託する場合:仕事をとられたくない

業務委託の場合は、「自分のこれまでやってきた仕事をとられたくない」という不満や不安から反発されることがあります。

このように思われてしまうのは、経営企画の業務幅が広いからです。

経営企画は多岐にわたる業務なので、ときには営業、ときには事務などの仕事にまたがることがあります。

自分の仕事にプライドを持っている人からすれば「とられる」と感じてしまう可能性があります。

この問題を解決するには、業務の切り分けを行うことです。

ある程度の規模の会社になったのに業務の切り分けを怠ると、業務が属人化するというデメリットがありますので、この機会に実行するのがおススメです。

また、経営企画に関連する業務を多くやっている従業員がいたとして、その従業員にスキル的な不安があるから業務委託をする、という場合には、社内の担当者として一緒に動いてもらうのが良いでしょう。

その従業員のスキルアップにつながるので、将来的には経営企画部が内製化できるかもしれません。

経営企画が必要か?を再考することも重要

あまりにも従業員に反対されるのであれば、経営企画が本当に必要かどうかを改めて考えてみましょう。

経営企画はあくまで目的を果たすための手段ですから、目的が曖昧であれば作る必要はないかもしれません。

判断軸の一つとして、弊社が依頼されるケースを以下にまとめました。

  • 経営計画が必要っぽいけど、作ったことがないので、よくわからない。
  • いろんなアクションプランがやりっぱなしになっている。
  • 従業員が全然動いてくれず、いつまでも経営者が苦労している。

このような状況を改善したいなら、経営企画部があると改善しやすいです。

また、これらの課題を、一度従業員に伝えてみるのも良いでしょう。

従業員のなかで「そういう改善活動やりたいです!」と声を上げる人がいるかもしれません。

もし声を上げる人材がいるのであれば、一度その人に任せてみても良いでしょう。

それで上手くいかなければ、業務委託で経営企画の人材を入れたら良いのです。

経営企画がいらないと思われるのは経営者の責任でもある

極論ではありますが、経営企画がいらないと思われる責任は経営者にあります。

なぜなら、経営者のほとんどが「なぜ・何のために」を説明しないからです。

経営企画に限ったことではありませんが、経営者は従業員に理由や重要性を伝えずに物事を進めてしまう傾向があります。

従業員からすれば「自分たちの業務に関係あることを勝手に変えられている」状態なので、反対意見が出るのは当然です。

もしかしたら経営者自身は「自分の行動を従業員はわかってくれている」と思っているかもしれませんが、ほとんどのケースで理解してもらえてません。

ですから、経営企画に限らず、どのような内容でも従業員にしっかりと説明しなければいけないのです。

経営企画の必要性を経営者が理解しましょう

経営者のなかには「なんとなくこんな状態だから経営企画を入れよう」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、なんとなくではなく、しっかりと理由と業務内容を明確にしておきましょう。

でなければ、従業員からの理解を得られません。

経営者の口から「うちは今こういう状態で、こういった問題がある。その問題を解消するために経営企画が必要だ」と伝えられるようにしてください。

とはいえ、経営者自身も「現状で経営企画を入れるべきかどうか?」を判断できないケースもあるかと思いますので、まずは一度弊社にご相談ください。

相談は無料なので、ぜひ現在の状況をお聞かせください。

プロフィール

稲葉友輔

代表取締役/中小企業診断士

1978年、神奈川県横浜市に生まれ、中国とニュージーランドへの留学を経験し、2005年に外資系化粧品会社に入社。

外資系化粧品会社在籍時の2013年に中小企業診断士資格を取得したことがきっかけで、企画部に異動。
その後、外資系企業2社、国内上場企業1社で、合計9年間企画業務に携わる。
2022年1月に独立し、2023年8月に株式会社ASSEMBLEを設立。

現在は、経営企画部時代の、経営計画やプロジェクト推進にまつわる様々な経験を活かし、経営計画の策定からアクションプランの推進サポートまでをカバーするハンズオン支援と、経営計画を自分でつくるためのオンラインスクールを提供している。

主なクライアントは卸売業、OEM化粧品メーカー、飲食業、太陽光発電業、イベント業、IT業、不動産業、商工会議所など、幅広い業種をサポートしており、中小企業診断士協会での講演も多数行っている。