時々、お客様や知り合いから、
「〇〇って、DXツールを入れたいのですが、どう思います?」
と聞かれることがあります。
そこで「なぜ導入したいんですか?」と聞くと、
「OA機器の営業の人に勧められた」とか「補助金が使えるって聞いた」
という答えが返ってきます。
※この記事では、DX本来の意味である「デジタル技術を使ったビジネスの変革」までいかない、業務効率を上げるツールについても、DXツールと表記しています。
DXをやらなきゃいけない病とは?
経済産業省が発表した「デジタルガバナンス・コード2.0」などの資料からも分かるとおり、日本政府はDX化を強力に推進しています。
またメディアで「DX」「デジタル化」の文字を見ない日がないほど、DXの波が押し寄せてきていることも事実です。
特にタクシーに乗ると、モニターに様々なDXツールの広告が出てきますよね。
あれを見ると「うちも入れなきゃ!」と思ってしまう理由もよく分かります。
そして最近は、保険代理店やOA機器の会社が、DXツールの代理店をやっているケースもあるようで、普段付き合いがある方からお勧めされたら、なおさら欲しくなっちゃいますよね。
このようにDX関連の情報があふれているところに、魅力的なDXツールの話しを聞いて、導入したくなってしまう症状を、「DXをやらなきゃいけない病」と呼んでいます。
DXツールを入れることで、業務の生産性、効率性が上がるケースが多いのは間違いありません。
しかし、あなたの会社にとって、今そのDXツールは、本当に必要なのでしょうか?
一度、深呼吸して考えてみてください。
DXツールを導入する第一歩は、経営計画づくりから
当たり前の話ですが、DXツールの導入は手段であって、目的ではありません。
そして目的を達成するための手段・手法は膨大にあるので、目的がクリアになっていないと、次々に出てくる手段・手法に惑わされ、会社が迷走することになります。
経営計画は、手段・手法を決めるために必要な「目的」をクリアにし、適切な手段・手法を決めるためのものです。
経営計画の作り方を、ざっくりと説明すると下記のとおりです。
- 会社の在りたい姿を明確にする。
- 在りたい姿を実現するための、理想的な数値目標を考える。
- 自社の現状を分析する。
- 2と3の間にある課題を特定し、アクションプランを考える。
- 数値目標を最終化する。
- アクションプランを実行し、定期的に振り返りを行う。
4に段階で、DXツールの導入が効果的だと思ったら、アクションプランとしてDXツールの導入を進めていきましょう。
そして補助金・助成金は、アクションプランを推進する上での資金調達の方法なので、スピーディーな導入が必要なのであれば、あえて補助金・助成金をあきらめることも重要です。
もし誰かから魅力的なDXツールの話を聞いて「うちも入れたい」と思ったら、そのDXツールが経営計画を実現するために、必要なものなのかどうかを、しっかりと見極めましょう。
経営計画がない場合に、やるべきこととは?
では経営計画がない場合はどうすればよいのでしょうか?
「私が提供している経営計画セミナーに参加してください」と言いたいところですが(笑)、まずは自社の業務プロセスを整理することをお勧めします。
業務プロセスを整理したら、そのDXツールではない領域で、改善のポイントが見つかることは良くある話ですので、ぜひお試しください。