ビジネス用語の中には、どうにも日本語にしづらい言葉があります。
その代表が「KGI」「KPI」だと思います。
KGIは、Key Goal Indicatorなので、日本語にすると「重要目標達成指標」・・・。
KPIは、Key Performance Indicatorなので、日本語にすると「重要業績評価指標」・・・。
日本語にすると却って分かりづらいのでは?思うのは、私だけでしょうか?
さて、このKGIとKPIは、よく混同される概念です。
客数や客単価はKGI?KPI?
先ほどKPIの日本語訳「重要業績評価指標」をご紹介しましたが、これをもうちょっとかみ砕いていうと「一番重要な行動(施策)を定量化したもの」です。
この定義から考えると、客数や客単価は、何かしらの行動の結果として実現する指標なので、KPIではなくKGIと言えます。
・・・自分で書いていて、言葉遊びのように感じてしまったので、具体例を出しますね。この具体例はフィクションですので、そのつもりでお読みください。
ある税理士法人が、売上を昨年よりも15%増やすという目標を作りました。
既に所属している税理士の稼働状況は上限に達しており、これ以上客数は増やせない状態です。
しかし所属している税理士は、財務コンサルサービスをどう提案して良いのか分かりません。
そこで代表は、顧問先を訪問したときに、財務上の課題と解決策を伝え、顧問先の反応を簡単なレポートにまとめて提出するよう、所属している税理士たちに指示しました。
さて先ほど紹介したKPIの定義は「一番重要な行動(施策)を定量化すること」でした。
この場合は、財務上の改善点と対策を伝えた件数、もしくはレポートの提出数などを、KPIとして設定することができます
財務上の改善点と対策を伝え続けることで、顧問先が財務コンサルサービスを追加導入すると、結果としてKGIである客単価が向上する、という構図になります。
バックオフィス業務はKPI設定ができない?
KPIは「一番重要な行動(施策)を定量化すること」なので、KPI化できない施策は存在しない、といっても過言ではないと思います。
バックオフィス部門は、業務を定量的に計測することが難しいと言われますが、KPIであれば、設定をすることは容易です。
例えば離職率が高い会社があって、離職率を20%改善するのがKGIだとします。
離職率を改善するために、社内イベントを増やすことが最も効果がある、という仮説があった場合、
- 社内イベントの実施回数がKPI
- イベントの満足度がサブKGI
といったように、行動を定量的に測るというポイントを押さえると、KPIは営業やマーケティングといったプロフィットセンターだけが使えるものではないことがご理解頂けると思います。
さてここまでを読んで、「ところで、一番重要な行動(施策)って何を基準に決めるの?」と思ったかもしれません。それを決めるのが経営計画です。
- KPIを設定するためには、経営計画が存在している必要がある
- 経営計画を実現するためにはKPIを設定し、PDCAを回す必要がある。
このように経営計画とKPIは切っても切り離せない関係なのです。