
経営自走化を実現するためには、従業員を動かしていくための明確な戦略が不可欠です。
しかし、戦略作りにはある程度の時間がかかりますし、実行してくれる従業員がいない場合、計画策定が遅れたり、いつの間にか立ち消えになってしまうこともあります。
こうした課題を解決する一つのアプローチが、生成AIを活用する方法です。
日本では、ChatGPTなどの生成AIは業務効率化ツールとして語られることが多いですが、海外では新たな価値を創造するためのツールとして活用されています。
では、具体的にどのように活用すればよいのでしょうか?この記事では、戦略立案における生成AIの活用法を、SWOT分析とPESTEL分析を中心に解説します。
SWOT分析とPESTEL分析
SWOT分析は、企業の「強み」「弱み」「チャンス」「脅威」を明確にし、戦略の方向性を導き出すための有名なフレームワークです。この記事では特に、「チャンス」と「脅威」、すなわち外部環境を洗い出す手法に焦点を当てます。
外部環境を分析する際に有効なフレームワークとして、PESTEL分析があります。
PESTEL分析は、以下の要因を分析することで外部環境を評価します:
- P (Political):政治的要因
- E (Economic):経済的要因
- S (Social):社会的要因
- T (Technological):技術的要因
- E (Environmental):環境的要因
- L (Legal):法的要因
このPESTEL分析で洗い出した外部環境を「チャンス」と「脅威」に分類し、SWOT分析へとつなげていきます。
生成AIを使ったPESTEL分析の手順とポイント
ただこのPESTEL分析を人力で行うのは時間がかかります。そこで活用できるのが生成AIです。
生成AIに、自社の情報を記載し、かつPESTEL分析を行ってほしいと指示をすれば、迅速かつ効率的にPESTEL分析を行うことができます。
そして生成AIが洗い出してくれた外部環境の情報を、SWOT分析を行うためのチャンスと脅威に分類してもらえば、さらに時間短縮になります。
ChatGPTと経営層の役割分担:効率と直感の融合
ただし生成AIは、多くの情報を迅速に提供する強力なツールですが、経営者や従業員が肌感覚で感じている競争環境や顧客ニーズなどの情報を完全に把握することはできません。
私自身で試してみた結果ですが、ChatGPT-4oを使うなら、以下の流れで外部環境の分析を進めるのが良さそうです。
- 30分など時間を決めて、PESTEL分析を人間が行う。
- 生成AIにPESTEL分析を依頼する。
- 自分の答えと、生成AIの答えをすり合わせ、PESTEL分析を完成させる。
- 30分など時間を決めて、PESTEL分析の結果を、チャンスと脅威に分類する。
- 生成AIにチャンスと脅威への分類を依頼する。
- 自分の答えと、生成AIの答えをすり合わせ、SWOT分析の、OTパートを完成させる。
このように生成AIの効率性と人間の直感を融合させることで、より精度の高い戦略を立案できます。
ポイントは人間がやる分析は時間を決めて行うこと。深掘りしようと思えば際限なくできる作業なので、注意しましょう。
生成AIの効率性と人間の直感を融合させることで、より精度の高い戦略を立案できます。
PESTEL分析で外部環境を把握し、それを基にSWOT分析を行うことで、自社に最適な戦略の方向性を明確にすることができます。生成AIを活用すれば、これらの分析を効率的に進めることが可能です。
経営自走化を目指すために、ぜひ生成AIを活用してください。