「売上を上げる」ことには熱心でも、
「コストを最適化する」ことには、
あまり時間をかけていない。
こうした経営者はけっこう多いです。
しかし実は、利益を改善するうえで、
最も即効性があるのは経費の見直しです。
今回は、その重要性を体感していただくために、
簡単なクイズから始めてみたいと思います。
クイズ
営業利益が5%の会社で、固定費を30万円削減したら、
売上をいくら増やしたのと同じ効果があると思いますか?
A:30万円
B:100万円
C:600万円
ちょっと考えてみてください。
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正解は、Cの600万円です。
営業利益率5%ということは、
売上の5%が利益として残る構造に
なっているということです。
そのため、30万円の利益を
売上増加で作ろうとすると、
30万円 ÷ 5% = 600万円の売上が必要になります。
売上を600万円上げるのは、
けっこう大変ですよね。
でも、固定費を30万円下げるのは、
いろいろな手がありそうです。
経費削減が進まない理由
実はこの計算、多くの経営者が知っていて、
経費削減の重要さも、ほとんどの経営者が知っています。
それなのに経費削減に後ろ向きなのは、
次のような潜在意識があるからです。
「お金は汚い。お金より人情が大事」
お金の話をすること自体に抵抗がある。
合理的な判断よりも、
誰から買っているのかが大切である。
「経費削減はケチ」
コストを見直すことは、
人としての価値を下げる行為である。
「経費削減は社員のモチベーションへ悪影響」
経費削減=締め付けなので、
組織の雰囲気が悪くなる。
「経費削減より、売上を上げた方が速い」
売上は攻め、経費削減は守り。
経営者は守りよりも攻めを重視すべきである。
「経費関連は経理担当へ任せてOK」
経費削減は、経理担当者は税理士の仕事であり、
経営者の仕事ではない。
「うちの経理は全ての経費削減対策をやった」
もう十分に対策をしているから、
削減の余地なんてない。
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いかがでしょう?
当てはまるものはありましたか??
経費削減がうまく進まない状況の裏には、
このような潜在意識が働いています。
潜在意識を変えようと思ったら、
まずは自分にどのような潜在意識が働いていて、
それが行動に影響を与えているのかを、
自覚することが第一歩です。
ちなみに私はクライアントに、
「経費の最適化を進めませんか?」とか
「戦略的な利益アップに取り組みませんか?」などと、
ちょっと視点をずらして説明することもあります。
では具体的に経費は
どのように見直していけばよいのでしょうか。
大きく分けると、方法は2つあります。
①同じ品質で安くできるコストを見直す
世の中には、品質を落とさずに
コストを下げやすい経費があります。
例えば、
- 複合機
- 電話(携帯/ビジネスフォン)
- 保険
- 賃料(引っ越しをしない前提)
- ガソリン代
- 電気代
などです。
電気代がもっとも分かりやすいのですが、
日本の場合、電気はどの会社から購入しても
品質は同じです。
そして各社とも、その時の情勢に合わせて
価格プランを出しているため、
1年前の最適なプランが、
現在では最適ではないこともあります。
こういったコストは、
まとめて相見積を取ってくれる業者に
依頼することができます。
やることはとても簡単で、
- 請求書やメーターの情報をスキャン
- もしくは写真で撮影して送る
これだけです。
あとは業者が相見積を取り、
最適なプランを提案してくれます。
ちなみに私が提携している会社は成功報酬型なので、
気軽に相談することが可能です。
興味がある方は、こちらをご確認ください。
こうした経費の見直しは、
管理部門のKPIとして設定し、
年に1回見直すことをおすすめします。
②金額の大きい費目から見直す
いわゆる80:20分析の考え方で、
インパクトの大きい費目から
改善を進める、という考え方です。
まず、直近の損益計算書から
金額の大きい費目を大きい順に並べます。
例えば、
旅費交通費:13,602,040
家賃:8,000,000
水道光熱費:5,702,400
といった感じです。
さらに、金額の大きな費目の中で
支出金額の大きいものから
順に並べていきます。
宿泊費:7,000,000
交通費(定期代):6,000,000
交通費(出張費):4,000,000
そのうえで、次の観点から確認を行い、
改善を進めていきます。
- この費用を無くすことができるか?
(本当に必要か) - この費用を減らすことができるか?
(業者変更、相見積り、業務改善など) - 外部委託に回せる固定費はないか?
(変動費化)
経費削減を進めるためのマインドセット
そして、経費削減が上手くいくかどうかは、
以下のマインドセットが大きく影響します。
- ケチるのではなく、費用の最適化であることを意識する。
- 売上を減らすリスクがある経費削減は、特に慎重に行う。
- 社長を始め上層部自ら、経費削減方法を理解し、率先して取り組む
- 社員に経費削減の筋道を理解させる
- 経費削減プランだけでなく、経営全体のアクションプランを持つ
- 固定費を変動費化する
- 塵も積もれば山となる
- 経費削減によって余計な工数を発生させてはいけない
- 経費削減はダイエットと同じで、毎月監視しリバウンドを防ぐ
- 経費削減プランを立て、一度決めたルールは最後まで厳守する
まずはここから始めてみてください
まずは、直近の損益計算書を1つ取り出し、
「金額の大きい費目ベスト3」だけで構いませんので、
洗い出してみてください。
そして、
- 本当に必要か
- 減らせる可能性はないか
- 別の方法に置き換えられないか
この3つの視点で見直してみてください。
それだけでも、あなたの会社の利益は、
大きく改善するかもしれません。
