なかなか良い人材が採用できない・・・
そんな悩みを抱えている経営者は多いのではないでしょうか。
私が社会人になったのは2003年なのですが、就職氷河期と言われていた当時と比較すると、今は完全な売り手市場です。当時は「何十社受けても内定が出ない」という話も珍しくありませんでした。
一方で今は、人材を採用したい企業の方が多く、人材確保に苦戦している会社も少なくありません。
実際、
- なかなか良い人材が採用できない・・・
- 他の会社は何をやっているんだろう・・・?
- 何か良い方法はあるのかな・・・?
と悩んでいる経営者も多いと思います。
求人を出しても応募が来ない。採用活動に時間やお金をかけても思うような成果につながらない。そんな話も珍しくありません。
そのため、
- 求人媒体を増やす
- 採用費を増やす
- 給与を上げる
- 採用担当を配置する
といった施策を考える会社も多いと思います。
もちろん、それらが必要な場合もあります。
ただ、採用について考えるときに、見落とされがちな視点があります。それが「離職率」です。
いくら良い人材を採用できても、辞めてしまえば意味がありません。ざるに水を注ぐような状態になってしまいます。
ところで、経営者同士で情報交換をしていると、「採用に困っている」という話はよく出てきます。一方で、「離職率が高くて困っている」という話は、意外と少ないように感じます。
もちろん、実際には離職率の高さに悩んでいる会社も多いのですが、なぜ話題になりにくいのでしょうか。
それは、採用と離職率には大きな違いがあるからではないかと思います。
採用は、
- 売り手市場だから
- 人口が減っているから
- 地域的に人が集まりにくいから
など、外部要因の影響を受けます。
一方で離職率は、
- 上司との関係
- 評価制度
- 教育体制
- 企業文化
など、自社で改善できる要素が少なくありません。
つまり、他責にしづらいテーマだから、話題になりにくいのかもしれません。
しかし、採用した人材が長く活躍してくれる会社をつくるためには、避けて通れないテーマでもあります。
今回は、人材の離職率を下げるために、どのような点を見直せば良いのかを考えてみたいと思います。
離職率が高い会社には共通点がある
離職率が高い会社というと、給与が低い会社をイメージするかもしれません。もちろん給与が影響することもあります。
しかし、それだけでは説明できないケースも少なくありません。
同じ地域で、同じような給与水準なのに、人が定着する会社と、すぐに辞めてしまう会社があります。その違いはどこにあるのでしょうか?
離職率が高い会社を見ていると、
- 上司によって言うことが変わる
- 会社の方向性が見えない
- 教育する時間がない
- 評価基準が曖昧
- 部門間の連携が悪い
といった状態が見られます。
また、
- 計画がない
- 約束したことを守らない
- 不信感が強い
- 教育に時間を使わない
- 社内に派閥がある
といった状態も、離職率に影響します。
どれも採用の問題というより、組織運営の問題です。採用で解決しようとしている問題が、実は組織の中にあることも少なくありません。
人が定着する会社は何が違うのか
では、人が定着する会社は何が違うのでしょうか。必ずしも高給取りの会社とは限りません。
むしろ共通しているのは、
- 会社がどこを目指しているのかが分かる
- 管理職が信頼されている
- 評価基準が明確
- 成長する機会がある
- お互いを尊重する文化がある
といった点です。
また、
- 社員教育に投資している
- スキルだけでなく価値観の相性も重視している
- 社員の成長を支援している
- 社員とのコミュニケーションを大切にしている
といった点も見逃せません。
働く人が「ここで頑張る意味」を感じられる環境があるかどうか。それが離職率に大きく影響します。
人はお金で来ても、企業文化のために残る
採用の話になると、給与を上げるべきか、福利厚生を充実させるべきか、という議論になりがちです。
もちろん、それらも大切です。
ただ、給与だけで人が定着するのであれば、高い給与を払っている会社は離職率は低いはずですが、実際にはそうなっていません。
人が会社に残る理由には、
- 上司との関係
- 成長実感
- 会社への共感
- 評価への納得感
- 仲間との信頼関係
などがあります。
採用の入口では給与が比較されることもあります。一方で、長く働き続けるかどうかは、日々の職場環境や企業文化の影響を大きく受けます。
近年は、採用をマーケティングとして捉え、採用専門サイトを作る会社も増えています。
そこでは給与や待遇だけでなく、
- どんな価値観を大切にしているのか
- どんな人が働いているのか
- どんな雰囲気の会社なのか
といった情報を積極的に発信しています。
応募者も「この会社で働きたいか」を判断するために、そうした情報を見ています。
採用市場を見ても、企業文化や働く環境が重視されていることが分かります。
採用活動の改善だけでなく、社員が働き続けたいと思える会社づくりにも目を向けたいところです。
企業文化は自然にはできない
では、企業文化はどのように作られるのでしょうか。
企業文化というと、なんとなく自然にできあがるもののように感じるかもしれません。しかし実際には、経営者や管理職の行動によって形作られていきます。
例えば、
- どんな会社を目指すのか
- 何を大切にするのか
- どのような行動を評価するのか
- どのような人材を採用するのか
こうした積み重ねが企業文化になります。
また、
- ビジョン
- ミッション
- コアバリュー
- 行動規範
といったものを整理し、日々の判断や行動に反映していくことも重要です。
人が定着する会社は、採用だけを頑張っているのではなく、会社の文化づくりにも取り組んでいます。
経営自走化との関係
経営自走化を目指す上でも、離職率を下げることは重要なテーマです。
なぜなら、離職率が高いままでは、
- ノウハウが蓄積されない
- 教育コストが増える
- 社長が採用と教育を繰り返すことになる
からです。
また、離職率が高い会社では、社長が現場の穴埋めに追われることも少なくありません。その状態では、会社の未来を考える時間を確保することが難しくなります。
一方で、
- ビジョンが共有されている
- 判断基準が明確
- 評価制度が整っている
- 教育の仕組みがある
会社は、人が入れ替わっても一定の品質を維持しやすくなります。
これは経営自走化の考え方ともつながっています。
まとめ
採用難の時代ではありますが、採用活動だけを見るのではなく、離職率にも目を向ける必要があります。
そして離職率の改善は、大きな設備投資や高額なシステム導入を必要とするものばかりではありません。
むしろ、
- 上司との関係
- 評価制度
- 教育体制
- 企業文化
など、自社で改善できる要素が多くあります。
その一方で、会社の考え方や文化に関わる部分が多いため、心理的なハードルは低くありません。しかし、自社で改善できる余地が大きいテーマでもあります。
もし、人がなかなか定着しないことに課題があるなら、一度整理してみる価値はあると思います。
ご相談は無料ですので、興味があればお気軽にお問い合わせください。
