事業計画を作ったことはある。
けれど、結局うまくいかなかった。
そんな経験を持つ経営者の方は、少なくないのではないでしょうか。
以前、ある経営者の集まりに参加したときのことです。
その場で、事業計画の話題になりました。
すると、そこにいた経営者のほとんどが、
「現在は事業計画を作っていない」
という状況であることが分かりました。
理由を聞くと、
その中の一人が、こんなことを話してくれました。
「過去に事業計画を作ったことはあるけれど、
計画どおりにいかなかった。
だから、作らなくなったんです」
この話を聞いて、
なるほど、と思う部分もありました。
事業計画は、冬山登山の計画と似ている
事業計画というのは、
冬山登山の計画のようなものだと思います。
冬山登山をする際には、
- どのようなペースで登るのか
- 自分たちの実力を踏まえ、どこでどれくらい休憩を取るのか
- どのような器材が必要なのか
- 悪天候のときにどう対応するのか
といったことを、事前に決めておかなければなりません。
これらを決めないまま登山をすると、
遭難するリスクは格段に高まります。
事業計画も、これと同じです。
目標と現状のギャップを分析し、
それを埋めるために必要な
アクションプランを考えなければ、
遭難、つまり倒産や廃業のリスクは高まります。
このように本来、事業計画は、
非常に重要なツールです。
しかし、過去に計画を立てたものの、
思うように進まなかった経験があると、
「作っても意味がないのではないか」
と感じてしまうのも、
無理はないことだと思います。
そこでここからは、
事業計画が機能しなくなる8つの原因を
整理していきます。
ぜひ、ご自身の会社が
どの状態にあるのかを考えながら、
読み進めてみてください。
① 目標数値だけで、アクションプランがない
事業計画に売上や利益などの
目標数値は記載されているものの、
具体的なアクションプランが
示されていないケースです。
達成方法が整理されていなければ、
その数値が実現できるかどうかは、
運任せになります。
経営者としては
目標を掲げているつもりでも、
実行の観点では
「何をやるのか」が決まっていない状態です。
社員から見ると、
「なぜこの目標なのか」
「自分たちは何をすればよいのか」
が分からないため、
当然、行動は生まれません。
目標数値だけが先行し、
そこに至る道筋が描かれていない。
まさに、絵に描いた餅です。
② 担当と期限が決まっていない
アクションプランは
事業計画に書かれているものの、
「誰が担当するのか」
「いつまでにやるのか」
が決まっていないケースです。
やるべきことは分かっていても、
担当者と期限が決まっていないと、
日々の業務の中で
優先順位が下がってしまいます。
結果として、
「重要そうだが、今すぐやらなくてもいいこと」
として後回しにされ、
アクションプランは実行されません。
③ 計画が一部にしか共有されていない
誰が、いつ、何をやるのかは
明確になっているものの、
その事業計画を知っているのが
一部の人に限られているケースです。
経営幹部や特定の担当者の間では
計画が共有されていても、
その他の社員は、
計画の全体像や背景を
把握していない状態です。
この状態では、
自分の業務と
事業計画全体とのつながりが見えにくく、
各自が「自分の持ち場」だけを
最適化しようとします。
その結果、
部分的にはうまく進んでいるように見えても、
全社として見ると、
ちぐはぐな動きになってしまいます。
④ 計画は共有されているが、フォローがない
事業計画について、
全社員が内容を知ってはいるものの、
進捗を確認する仕組みが
用意されていないケースです。
特に、
事業計画の作成と運用が
文化として定着していない会社では、
計画づくり自体に
大きなエネルギーを使ってしまい、
その後のフォローまで
手が回らなくなりがちです。
その結果、
「計画は作ったが、その後は特に何もしていない」
という状態になってしまいます。
せっかく作った計画が、
活用されないまま形骸化するのは、
もったいないことです。
⑤ 社員は実行するが、コミットメントしない
経営幹部だけで事業計画を作成し、
その計画を社員に実行させているケースです。
計画自体は伝えられており、
指示された内容については、
一定程度、実行されます。
しかし、
その計画に対する主体的な関与や
当事者意識は生まれません。
社員にとっては、
「決まっているからやる仕事」
になりやすく、
自分ごととして捉えにくい状態です。
その結果、
表面的には進んでいるように見えても、
期待していた効果が
出にくくなります。
⑥ アクションプランを詰め込みすぎ
事業計画に盛り込まれている
アクションプランの数が多すぎて、
現実的に実行できないケースです。
計画を作る段階では、
前向きな意見が出やすく、
つい実行項目を
増やしてしまいがちです。
結果として、
アクションプランが多すぎて
手が付けられない状態が続き、
「どうせできない」
という感覚が
組織内に広がってしまいます。
達成感を得られない状況が続くと、
自己肯定感やモチベーションにも
悪影響が出るため、注意が必要です。
⑦ 定期的な進捗管理の仕組みがない
事業計画は作られているものの、
進捗を確認するための
定期的な進捗管理の仕組みが
ないケースです。
会議体自体は用意されていても、
進捗を確認する視点や指標が定まっておらず、
情報共有だけで
終わってしまうことがあります。
その結果、
「結局、この会議は何のためだったのか」
と感じる場が増え、
計画と実行が
結びつかなくなっていきます。
進捗管理が、
形だけになってしまっている状態です。
⑧ 進捗管理はするが、計画をアップデートしない
進捗管理は定期的に行っているものの、
計画が遅れていても、
内容や進め方を
調整していないケースです。
計画を立てた時点では
正しいと思っていた
アクションプランも、
前提条件が変わり、
無意味なものになることは
珍しくありません。
それにもかかわらず、
「計画したのだから、やらなければならない」
と固執してしまうと、
状況に合わない行動を
続けることになります。
結果として、
KGIやKPIの達成から
遠ざかってしまいます。
さて、
あなたの会社に当てはまるのは、
どの原因でしょうか。
事業計画が機能しないとき、
つい
「自分のやり方が悪いのではないか」
と感じてしまいがちです。
しかし実際には、
多くの会社が、
今回挙げたようなポイントで
つまずいています。
大切なのは、
まず自社の状態を
正確に把握することです。
課題が明確になったら、
ChatGPTなどの生成AIと
壁打ちしながら対策を考えるのは、
有効な方法の一つです。
事業計画や実行体制の整理は、
一人で考えるよりも、
AIであっても、誰かと壁打ちしながら進めたほうが、
早く整理できることが多いものです。
小さな整理でも、
次の一歩は、
必ず見えてきます。
